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ベーコン作り [クッキング]

久しぶりに豚バラのベーコン作りに挑戦。
通常ベーコンは乾塩法といって、おなじ10%~15%の塩を肉全体のまぶして、数日おき、その後おおなべで流水で2時間ほど塩抜きする。しかし、水で塩抜きすると、ベーコンは肉のうまみ(アミノ酸)まで、抜けてしまうことが多い。それを残そうとすると、だいぶ塩分を残しておかなくてはならない。保存食というよりも、出来上がったらすぐ食べる塩分控えめのさっぱりベーコン、ということになると、やはり薄めのソミュール液に漬けて、塩抜きをしない方法がいいのでは、と思いやってみた。
【薄ソミュール液】
本当のソミュール液とは1リットルの水に約10%~15%の塩と3~5%の砂糖と酒(ウイスキーもしくはブランデー)他香辛料を混ぜて煮立たせて、冷やした液体で、通常はソミュール液に材料を浸し、一定期間塩漬けし、取り出して水につけ、流水で塩抜きする(その内容物により塩抜き時間が異なる)。しかし、私の経験では前述のとおり塩抜きを水でやると、味が抜けるので、今回塩抜きはしていない。そのため、今回の薄ソミュール液はカップ1(200cc)に対し、5%~8%(大さじ1半)、砂糖小匙1~2程度、ブランデー(蒸留酒ならなんでもいい。焼酎もOK)を少々、しょうゆ数滴、月桂樹、クローブス、粒胡椒を入れて沸騰させ、冷ましたものを使用。
①1kgの豚バラ肉に塩大さじ1、黒胡椒ホール小匙1、あとは他の香辛料(オールスパイス等)をかるくまぶして、1日冷蔵庫でなじませる。
②冷蔵庫から取り出し、カップ1杯の薄ソミュール液を注ぎ、再び3日ぐらい冷蔵庫に貯蔵。その後取り出し、よく水分を拭く。
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③よく水気をとって日陰で干して乾かす(風乾)のが普通だが、夏場に塩分の薄い肉を干すのも心配だし、カラスやトンビの襲撃のおそれもある。そこで便利な「食品用脱水シート」を使った。少し高い(計算すると1枚50円~80円)が、その実力はすごい。
④脱水シートで肉を包む。これで一日おくと、肉のうまみは残し、水分だけを吸水してくれる。
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写真は翌日の水だけををたっぷりすった様子肉の手前にだらりと水袋があるのが見える。1キロの肉でカップ1杯ぐらいとれた感じ。
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⑤シートをはがし、
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よく周りの拭いてやり、ベランダで乾かす。(風乾しなくても、キッチンペーパーなどで巻いて、冷蔵庫で数日置いても乾燥する。そのほうが夏場は衛生上の安全かな。)
⑥、燻製器に60度で1時間乾燥、燻煙2時間。夜~朝まで風乾のため外に干した。
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ベランダでの燻製は気を使う。うちはマンションの最上階なので、近隣のベランダに干し物がないかチェック。(したがって、燻製器の利用は夜間や雨の日になりがちです。)煙突も塩化ビニールの筒を装着し、出来るだけ煙が外に散逸するように工夫している。もちろん近隣への理解を得るため日ごろからご近所さんへの作品の「配給」は絶対に必要です。。
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⑦ペーパータオルで巻いて冷蔵庫で3日寝かせる。 出来上がり。
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【評価】
日ごろ食べている、結着剤、発色剤、亜硝酸塩などを使った見た目にもおいしそうな色のベーコンに比べ、無添加ベーコンはとても色合い、風味とも「肉肉しい」のです。したがって、最終的には肉の素材の良し悪しによりベーコンのおいしさが左右されます。つまり、ゴマカセないのです。1キロのブロックを買う必要性はありませんので、作るときは国内産上質の○○豚みたいなものをお使いください。輸入物は悪いとはいいませんが、(今回は輸入豚使用)やはり冷凍で送られたものを解凍して店頭に出してますので、ドリップ(水)が出てうまみ成分が弱い感じがします。せっかく手間をかけるなら、ぜひ上質なブロックポークを使ってください。

【燻製について】
無題.jpg
燻製には「温燻」と「冷燻」とがあって、燻製する場合、チップに火をつけて煙を出すのですから、燻製器の内部の温度は上昇します。この内部の温度を上げずに作らないと、素材のたんぱく質が変化(つまり焼けちゃって白くなる)するようなもの、たとえばスモークサーモンなどは温度上げたら、焼き魚になっちゃいますよね。これは「冷薫」といって器内温度を20度以下に保たないといけない。したがって燻製器の容積も大きく、かつ外気温も低い冬場が望ましい。
しかし、もともと火を入れて食べるベーコンは、関係ないので、40度以上上がる容積の小さい簡易燻製器でもダンボールでもできます。これを「熱燻」といいます。
それと個人的には燻製の教科書に書いてあるように、しっかり薫煙をかけなくても、その半分でも十分だと思います。それでも十分すぎるほど香りはつきます。長く保存するわけではないのですから、軽く1時間で十分な気がします。そして燻煙器の中にしばらく置いておけばしっかり香りはつきます。(そもそも、市販されている「くんせい」と称するものの多くは「燻液」という、いわゆる燻製の煙のタールを水溶液にしたものにジャバっと漬けて、電気で乾かしたものですから。)

【料理法】
出来上がったベーコンは、日ごろ薄切りになれている向きにはぜひ、「厚切りベーコン」で食していただきたい。うちでは、「ポトフ」をよく作る。キャベツ、ニンジン、セロリ、トマト、ベーコンの厚切り、あとは冷蔵庫に残ったくず野菜をざっくり刻んで、水はカップ3杯、固形スープ3個、これで、圧力鍋に火にかけて沸騰したら弱火にして5分圧力。野菜から出る水分と、スープ、燻製ベーコンの香りと野菜の香りがとてもおいしいです。
圧力なべにすべての材料を入れたところ(火を入れる前のようす)
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(お詫び)すみません。出来上がりはとても綺麗だったのですが、おいしそうですぐ食べてしまい、写真をとり忘れました。次回載せます。。










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キルト

はじめまして。
お店などで自家製ベーコンを食べたことがありますが
やはり市販のものとは風味・うま味ともに格段の差がありますね。
製作工程をみるとなかなか大変そうです。
でもこれだけの手間をかけるから美味しいものが出来るのですね。
勉強になりました。
by キルト (2008-05-25 16:40) 

macogy

初コメント、ありがとうございます。
ベーコンは本来「豚バラの塩漬け」を長期保存するための手段ですから、
燻製にしなくても、塩、胡椒と好きな香辛料を豚バラにまぶして、弱塩漬けにして冷蔵庫に入れておくだけで、便利ですよ。お料理に使えます。
鶏肉にしても、豚肉にしても、スーパーで買ってきてすぐ使ってもおいしくありません。「下味」をつけた豚バラ肉がいつも冷蔵庫にあるだけで、チャーハンでも、野菜いためでも、スパゲティでもすぐ使え、しかも相当高級な味になるはずです。「燻製」はあくまで風味付けとおもって結構です。とにかく、肉は水分をよくふきとって、下味をつけることが大切。香辛料は胡椒粒と月桂樹の葉は入れたほうがいいです。
by macogy (2008-05-25 23:18) 

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