ワンコイン（５００円）の国内メーカーワイン

最近スーパーで定価５００円のフルボトルワインを各大手メーカーが競って販売している。　エチケット（ラベル）もおしゃれ。しかも「無添加」とか「有機栽培ぶどう」とか大きく書いてある。よく売れているようだ。

私は、どんなワインでもその作り手は限りない愛情と自信をもって提供していると信じているので、試飲会でも絶対にネガティブな感想は口にしないのがルールだと思う。ただ、わたしはこれらの「ワイン」を他のワインと同じように評価の対象にできない。国内大手メーカーの輸入ブドウ液を原材料としたこれらの製品は、通常のワインの作り手とは異なる意図を感じてしまうのだ。これらのワインがおいしくないというのではない。ワインとは異なる飲み物のような気がしてならないのだ。飲みやすいし、甘め。ブドウジュース的な酒類を好む消費者も多いだろう。しかし、カクテルやサワーなど他のリカー等雑酒とは明らかに違うのだから、日本のワインとしてのスタンダードは守ってほしいと思う。ワンコインのワイン。需要拡大のすばらしいアイデアだと思うが、○玉ポートワインの全盛時代から半世紀すぎてもまだ、こういうマーケティング戦略が成功するのなら、日本の国内産ワインを愛する一人として複雑な気持ちになる。

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